1993年に発表された国内TT250Rに端を発するトレールマシン。オーストラリアをはじめ海外ではエンデューロ入門マシンとして高い人気を誇る。
素直で伸びやかなエンジン特性で、オフロードの醍醐味を存分に満喫できる。シンプルな車体構成と今も連綿として続けられるきめ細かな熟成によって、息の長い支持を受け続けるロングセラーモデルである。
最高出力19.7ps/7,000r/min、最大トルク1.9kgf・m/6,500r/minを発生する空冷4ストローク4バルブ単気筒エンジンは、スムーズに高回転域まで吹け上がり、節度を持った瞬発力を実現。
始動方法はセル/キック併用で、傾斜地など足場の悪いオフロードでのエンジン再始動を容易にしてくれている。また点火方式はシンプルなCDIを採用。
フレームは角断面パイプを使用したコンベンショナルなセミダブルクレードルタイプで、高剛性と軽量化を両立している。
サスペンションはフロントにインナーチューブΦ43mmで280mmのストロークを持つ正立タイプフォークを、リアはスチール製デルタボックス型スイングアームに減衰力調整が可能なリザーバータンク別体式のショックアブソーバを組み合わせた、280mmのホイールトラベルを確保したモノクロスサスを装備、300mmの最低地上高と相まってトレールモデルとしてで高い走破性を確保している。
ブレーキはフロントに219mm径の小型軽量穴あきローターにピンスライド式2ポットキャリパー、リヤは192mm径穴あきローターシングルポットキャリパーと、シンプルだが必要充分のブレーキ性能を備えている。
カラーグラフィックは最新のYZタイプを踏襲。夜間走行でも充分な光量を発揮する大型のヘッドライト、ライトカウルの中にトリップカウンター内蔵のシンプルなアナログ式スピードメーターを装備する。
フュエルタンクは軽量で衝撃の耐性に優れ、コンペティティブな樹脂製を採用。ほかにも標準装備のナックルガードなど、走破性とライダーの安全性を確保する、充実した装備となっている。